環境にやさしいってなんだ?

「やさしいたんかん」は「やさしい農産物」で、それは「やさしい農園」で作った農産物だ!って

結論になったんだけど、誰に対してやさしいか?ってことを考えはじめてしまった。

こうなると思考の波が止まらなくなる。

こりゃあ、もうクセだわなー。

 

で、①消費者②作業者③社会④経営者⑤環境をとりあえず対象として考えようってことにした。

世間では⑤環境が興味を引きそうな感じだけど、環境って自然環境って意味で使われるよね。

屋久島も世界自然遺産だし、これはテーマとして扱わないといけないことになってくるよね。

 

じゃあ、農業と自然って何が違うの?

これは農業にたずさわってみて思ったんだけど、

農業は、人が食べるために、元々そこにはなかった植物を、人の手で植えて、育てて収穫する、こと。

当然のことながら、原生林とは全く植生が違う。

土もあれば水もあるので、草なんかはよく生える。

そこが人工なのに人工っぽくないところ。

 

「やさしい農園」が考えないといけない環境って、どうやら、原生林のような自然ではないっぽい。

島の原生林のことを大事にするなら登山を制限したり禁止したりするしかなくなる。

だって登山って山の土を踏み固めて、木の根っ子を踏みつける行為とも言えるから。

それは別の分野なので今は関係ないけどね。

 

そうなると、農業が作ってきたジオラマ的な農園環境ってことになるんだろうなー。

耕作放棄地が増えるとこの農園環境は壊れる。

厄介なのは、菌や虫が繁殖して近隣の農園に影響を及ぼすってこと。

植物の話でいけば、耕作放棄地が増えると生物多様性が失われていくらしい。

強い外来種に在来種が駆逐されるので単一的な植物しか生えなくなるんだそうだ。

あとは農園で使った肥料や農薬が周囲に及ぼす影響…ってことになるんだろうか。

 

肥料や農薬の話はまた別に考えるとして、結局、環境という点で言えることは

耕作放棄地を減らす、増やさないってことになる。

なんだ、これまでと変わらないじゃないか。

ただ、耕作放棄地を再生させる…減らすことだけしか考えてなかったけど、

増やさないことも農園再生プロジェクトの命題になってきそう。

やっと青空が見えたから。

valvaro台風8号も過ぎて、やっと晴れ間が見えたのでようやく殺虫剤散布できた。

 

ミカンはゴマダラカミキリの被害に会いやすくて、こいつは木をダメにするから本当に厄介。

ニューヨークで街路樹をことごとくダメにしていってるのも、カミキリムシってくらい厄介。

 

それとナガタマムシ。

こいつも木をダメにする。

弱った木しか来ないって言われてはいるんだけど、耕作放棄の再生って時点で木は弱っているわけだしね。

 

シロアリも困ったもんだし。

 

値段が高いし、散布の手間はいるし、イメージもよくないから出来れば使いたくないけど、他に対処法がないんだよなー。

 

ただ、バルバロ号のおかげもあって使う量は減らすことができる。

体力も使わないで済むし。

技術の進歩ってすげーわ。

台風8号一過。

noudosagyou台風8号一過。

消防団の呼び出しがあった。

台風で折れて農道に倒れた木を撤去する作業になった。

 

 

 

屋久島は思ったより風が吹かず…とおもっていたけど、農道は結構ふさがれていた。
台風はやっぱり侮れない。
午後いっぱい農道作業になった。

 

 

 

taifugo夕方、ようやく農園の見回り。
全然被害なし!よかったー!

「やさしいたんかん」ってなんだ?

先日、県の農林普及センターを訪れた時のこと。

農園再生プロジェクトの今後についての話になった。

農園再生プロジェクトは耕作放棄地の解消をしながら4つの将来像にむかって進んでいくことを目指している。

http://nouensaisei.net/future.php

 

 

A 就農支援者支援

B 福祉農園

C 販路拡大

D 地域活性

農園再生プロジェクトだけでは達成が難しい面もあるので、YACTIVEを作って多面的に将来像に向かっていく予定。

 

 

出来た農産物のイメージ戦略はどうするの?

って聞かれて、ああ…まだ考えてなかったと反省。

今やっとインフラの整備が始まった所だったから、そこまで考えが及ばなかったよー。

 

 

担当普及員は「やさしい」ってイメージはどう?と提案してくれた。

屋久島農園再生プロジェクトの「やさしいたんかん」…

いい。すごくいい。これで行こう!と即決したんだけど、「やさしいたんかん」ってなんだろう?

多分、「やさしいたんかん」を始めとする「やさしい農産物」は「やさしい農園」で作った農産物ってことになるんだろう。

 

 

台風でどうせ何にもできないから考えてみた。

まず「やさしい」の対象者。

①消費者②生産者(作業者含む)③社会④経営者⑤環境

 

 

①消費者は、当然だよね。消費者にやさしいといえば価格?それとも無農薬?有機栽培??

 

 

③社会は将来就農者支援と福祉農園を作って障がい者とか高齢者の働く場所にしたいから多分やさしいと思う。

 

 

問題は②生産者(作業者含む)。

障がい者と高齢者に働いてもらうとなると、農園での作業をできるだけ簡単にしないといけない。

簡単にするということは重労働を減らすということでもある。

 

 

④経営者にやさしいというのはコストがかからないってことだ。

正直、経費に関しては他の農園よりかかるだろうなー。
それでいて働いてくれる人に給料を払えるだけの売上を確保していかないといけない。

そこは経営努力でなんとかするしかないんだけど。

 

 

⑤環境に関しては非常に難しい問題。

環境にやさしいってことの定義がよく分からないから。

自然に任せることがやさしいって意見もあるし、人の手を加えて生物多様性を維持することがやさしいって意見もある。

もっと言うと農村地域の場合、他の農園と協調して農業環境を維持することも環境にやさしいとも言える。

それは病気とか害虫の発生を抑えることにつながるから。

むしろ、農園再生プロジェクトはそのために始めたからね。

 

 

結局、全てのバランスを考慮して落とし所を探す他ない

ってことになるんだろうなー。

ヘタすると今の農園再生プロジェクトの見直しになるかもしれない。

プロジェクトの将来像を見直すんじゃなくて、農園の運営方法を見直すってことなんだけど。

それでも、「やさしい農園」は考えるだけの魅力はあるような気がする。

将来像の達成に有効ならそれでもいいや。

ボクたちの世代には宿命があるらしい。

数えるほどしかいない、屋久島の若手農家が集まった時に話すテーマがある。

それは、「屋久島という地域の農業の継続性」。

 

 

 

全世代参加型の農業関係の会に出るとわかるけど農業の中心が60代。

農業人口のってなると60~70代が中心になる。

50代ですら少ない。それより下の世代は推して知るべし。

島全体の農業規模を考えると10年後いや5年後でさえ

縮小してるだろうなっていうのがよく見えてくる。

 

 

 

屋久島の農業というのが縮小したらダメってことは別にないんだけど、

農業には「産地」というものがある。

この「産地」は非常に有効的なもの…というか、農業分野ではかなり大きなブランドになる。

リンゴなら青森、サクランボなら山形、みたいに、この地域はコレ!っていうのがブランド。

その地域のものかどうかで価値が変わったりする。

ボクだってあの地域のアレは食べたいとか思うし、逆にほかの地域のものを買おうと思わない。

それくらい農産物のイメージを左右する。

だから「産地化」に農業が躍起になるってわけだ。

 

 

 

たまたまにしても、農業というフィールドを選んだ以上、

せっかくの「産地」をなくしてしまうのはもったいないし、

なくなったら戦略の大幅な見直しが必要になって、これは時間と労力の大きなロスになる。

それがどんなにマイナーなものだとしても、ね。

じいちゃんたちの世代が戦後切り開いた屋久島の農業という産業を潰すのも農業を選んだ以上、

心情的に嫌だってのもある。

 

 

 

ボクたちの世代は戦後の第3世代ということになる。

第1世代から第2世代は「そのまんま」続けるのが正解だった。

農業経営のスタイルも、農場運営のシステムも。

いわゆる家族経営でやるのが常識だった。

まだ現役の第1世代がいて、その常識は続いている。

だけどボクたちの世代はそうはいかない世代になる。

 

 

 

答えなんかなくて自由にやるしかないんだけど、屋久島の農業をどう継続させるか?っていうのは

どうやらボクたちの世代の宿命みたい。

まあ、他の業界は1世代前にやってることだから、参考にしながら自由にやってみるつもりだけどね。